劣悪環境のブリーダーより保護した
チワワの すず
酷い臭いと汚れがあったので
オーナーがシャンプーしてくれた
下半身の毛は ごっそりと禿げて
細い足は関節が擦りむけ
汁が出ていた
何も敷いてないケージと
コンクリートの 犬舎での毎日で
擦れて 怪我をしたんだろう
背骨や 腰骨は浮き出てガリガリなのに
お腹だけが 膨れていた
初めての会った時の吠えは全くなく
私を見上げ、小さなシッポを必死で振る
すず、、、保護してから
オシッコが中々出なくて
もしかしたら、白熊子犬の
ゆきの時みたいに
腎臓の病気で、オシッコが出ずに
お腹にたまってるのか…?
不安で 怖くて
でも、祭日で病院も開いてなくて…
歯がほとんど抜けていて犬歯ぐらいしか
残ってなくて
ad缶を手で与えると 顔を突っこみ
必死で食べ、私の指まで噛みついた
歯が無いので全然痛くはなかったが、
立つこともやっとの足でよろけながら
貪り食べる姿に 心が痛かった
ずっと様子を見ていると
よろよろと立ちあがり
やっとオシッコを大量にしてくれた!
良かった!!
ひとまず、安心した
あとは、膣脱の手術と、乳腺腫瘍の手術
避妊手術を乗り越えなきゃ!
おそらく、生まれて初めてであろう
フワフワのベッドで横たわる すずを
撫でながら
「すず~大丈夫だよ
絶対に元気になって、幸せになろうね」
って 話しかけた
すずを見ていると
切なくてたまらなくなる
あなたを利用していた、同じ【人間】に
今もなお、シッポを振ってくれる
触るとビクッとなりながらも
気持ち良さそうに目を細める
すず
愛しくてたまらない
昨日は昼まで 仕事をして、
子供たち三人のそれぞれの学校に出向き
三者懇談
終わってからすぐに、高速を飛ばし
病院へ。
診療時間終了の5分前に
滑り込みで入った
体重 2.4kg
後ろ足は脱臼していた
心臓の検査 …問題なし
目はほとんど見えていない
膨れたお腹をエコーでみる
「胎児が一匹」
先生の言葉に
。。。は?!
聞き間違い?!
え? 胎児?
赤チャン?!
え?お腹の中で 死んでるの?
軽いパニックに陥った( TДT)
いや、動いてますね、生きてますよ
先生は言った。
そして、どうしますか?
と。。。
レントゲンで調べると、胎児はかなり
大きくて このまま放置しておくと
激しい陣痛で胎児がひっかかり
発見が遅れると母子ともに危険である
陣痛が来たら、すぐに帝王切開しなければならない。
しかし、日中、私は仕事で留守をする
日に日にデカクなったお腹の様子から
心配で仕事にも行けない
入院させても、24時間(夜間は)
先生も監視できるわけでもなく…
どうしよう、、、と先生も一緒に
一番良い方法をあれこれ考えてくれて
その時点で
すでに、夜の8時を過ぎていて
すずの体温は 37.5゜まで下がっていた
出産が近くなると犬は体温が下がるらしい
「今晩、手術をしましょう!」
先生が言った。
「しかし、万が一……子犬は、出すのが早くて、死んでしまう危険性もあります。
が、母犬は確実に助かります」
このまま放置すれば、母子ともに
危険にさらす事になるかもしれない
それなら、、、
「お願いします」
先生は、一旦病院を閉めて
小さな子供たちを寝かしつけて
そのあとに、手術をしてくれると言った
助けよう!と最善の方法をとってくれた
私が持ち込むボロボロの犬たちに
いつも一生懸命取り組んでくれる
丁寧に説明してくれて
どの方法が良いか、一緒に考えてくれる
病院によっては、保護犬というだけで
嫌がられたり、そっけなく扱われたりする
とこもあり
所詮 獣医師も、商売なんよね、、、って
思うことも 多々あった
でも、この病院の先生は
「動物を助けたい!」という初心が
ブレずにいる
すごく すごく 感謝している
先生に全てを託し帰宅した
「お腹すいた…」と、子供たちから電話が
鳴り、急いで弁当を買って帰りついたのが
9時半を過ぎていた
すずのことを話すと 子供たちも
心配してくれて
ごめんね、、、
晩御飯、こんなに遅くなって
なのに、誰も私を責めない…
それどころか、すずを心配してくれる
偶然出会った小さな すず
あの日、出会わなければ
あの日、連れて帰らなければ
あの、固いコンクリートの上で
陣痛が始り
苦しみ、死んでいたかもしれない
連れて帰って 良かった…
この子に出会えたのは
偶然ではなく、必然だった
すず
大丈夫
みんなが、あなたを心配してくれてる
あなたを守ろうと…
あなたの幸せを願ってる
大丈夫
きっと 大丈夫
祈る思いで 先生からの電話を待った
PM11:30
ケータイが鳴り
「無事に手術は終わりました
母子ともに、無事です」
その言葉を聞いて 張りつめていた緊張が
一気にほどけて 涙が溢れる
貧血・血圧の低下から、麻酔の効きが
なかなか 安定しなかったそうで
膣脱と思われたのは
大量に出来たポリープで
内部まで、びっしりあったので
取り除ける範囲は全て切除してくれた
これで、尿道を圧迫せずに、スムーズに
排尿が出来るようになるだろう
「もう、麻酔から覚めて 母犬は、
座っています」と、、、
すず、、、頑張ったね
小さな体で
よく、頑張ったね、、、
電話越しに何度も 先生に頭を下げ
助けてくれた先生にお礼を言った
ありがとう!
ありがとう!
今まで 道具として生かされてきた
でも、これからは
とびきりの幸せを この子に繋ぐ!!!
繁殖犬ではなく
かけがえのない 尊い命 として
あなたの 【これから】を
生きていこうね
すずの名前の由来は 鈴蘭の花
スズランの花言葉
「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」
すずの 笑顔を 絶対に守る
↧
すず。。。
↧