H28.5/1
北九州市動物愛護センターより保護
小さな小さな おばあちゃん
マルチーズ
恐ろしく伸びた爪
ボコボコと無数に出来た乳腺腫瘍
岩のように付いた歯石
ガリガリに痩せた骨と皮の体
小さく震えながら 身を守ろうと私に唸ったが
噛みつくほどの力は無かった
元の飼い主に放置されていた事が
一目見て分かる子だった
センター譲渡犬としては
難しいという事で
「うちに おいで」
クリ家に仲間入り
白内障で視力も薄く
体重は1.9kgしかなく
小さな心臓は かなり悪くなっていた
とにかく、少しでも太らせて体調を良くしないと、歯の治療も出来ない状態だった
うちで、看取る事になるかな。。。
って、正直思ってた
ただ、この子が 穏やかに過ごせたら
それで良いと思ってた
そんなとき。。。
「昔 飼ってた子に似てるんです
是非、うちに迎えたいです!」と。。。
声をかけてくれたのは
はぴねす保護っ子の里親さんである
川崎さんの娘さんの ふみ子さん
この子は シニアだし、健康状態もあまり
良くない
看取りになるだろう、ことも
全て受けいれてくれて
5/30 命名 『バニラ』として
ふみ子さん宅の 家族に仲間入り
『我が家の娘として 大切に大切に
たくさんの愛情注いで
幸せだと思ってもらえるように
一緒に過ごしていきます』~ふみ子さんより~
バニラ の第2の 犬生は ママ パパ
二人に 大歓迎されて 始まった
若いパパと ママは 仕事も忙しくしながらも
きちんと病院でのケアもしてくれて
バニラを 本当に本当に愛してくれた
二人の愛情に包まれて
バニラも 日々 犬らしさを取り戻していった
老犬と思えぬくらい 元気になり
美味しいものも たくさん 覚えた
仕事から帰ったパパに くっついて
【普通 】の 家庭犬としての 時間が
家族の笑い声と共に
穏やかに流れていった
パパとママがお仕事で居ない時は
ぬいぐるみと一緒に お昼寝して
パパの お仕事がお休みの日には
起きるのを 側で待ってた
朝寝坊な パパに つられて。。。
そのうち 一緒に
バニラ
バニラ
毎日 名前を呼んでくれて
優しく 抱き締めてくれる
特別ではなくて。。。
それが、バニラにとって
一番幸せな時間
ふみ子さん家族のおかげで
甘えることも
はしゃぐことも
ワガママをいうことも
出来るように なったよ
そして、そんなバニラが
愛しくてたまらない、と
パパも ママも一緒に
幸せな気持ちになってた
病院へは、定期的に 通院し
チェックしてもらってた
今月の始めも 先生に
検査の結果
「今までで一番 いいね~」って
誉められたんだって
でも。。。
11/5 バニラ 急変
病院にかけつけるも………
名前を呼ぶ声は届かず
永遠の眠りについた
バニラ
その名前をもらい
愛された 160日間
あなたは、本当に幸せだったね
早すぎる別れ と、ふみ子さんは悲しんだ
看取り を覚悟していながらも
バニラとの時間が このまま、ずっと
続くような 気持ちになってた
愛しい我が子を
失うかもしれないなんて
もっと先のことだと思ってた
この子を迎えると決めた時から
別れが早くくることは 覚悟していたはずだった
だけど
悲しくて悲しくて。。。
でもね
ボロボロにされて 捨てられ収容された
一匹の老犬が
こんなに 穏やかな時間をもう一度過ごせたのは
この子のすべてを受けいれ
愛してくれた ふみ子さん家族の
おかげだよ
例え その時間は短くても
愛される 喜びに包まれて
この子は 安らかに
永遠の眠りにつけたと思う
何にも恐れずに
大好きな家族に 見守られながら。。。
笑顔を ありがとう
愛してくれて ありがとう
たくさんの 幸せを
ありがとう
バニラ(元 まーちゃん)
保護主 クリより
心から 感謝を込めて
翌日 ふみ子さんより メールが
バニラを連れ出してきてくれてありがとうございました
出逢うことができて本当に良かった
バニラは私たちにたくさんの笑顔をくれました
まだまだずっと一緒に居たかったけど
バニラからもらったたくさんのもの返しきれてないけど
バニラが生まれ変わって
今度は最初から幸せな時間を過ごせるように願います
ありがとうございました
~バニラ 安らかに~
H28.11/5 pm8:45 永眠
ある日の お寝坊な バニラ
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小さな命~160日間のありがとう~
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